前回は、小学校1年生の算数からお話を始めましたので、今回は中学1年生の問題から始めてみましょう・・・と言いますか、以下の話題、私たちの頃は中1の内容でしたが、今は何年生で教えているのか、実は自信ないのですが・・・。
2-3=
1-3-4=
2-2-2-2-2=
ここで中学1年の太郎君が
2-3= 解答不能
1-3-4= 答え なし
2-2-2-2-2= こういう計算はありません
と答案に書いたとすれば、まあ、×が3つついて0点になりますね。でも太郎君は納得がいきません。なぜって、彼は小学校のとき、
2+3 や 2×3 の計算があるのなら 2-3があってもいいだろうと思って、先生に質問したことがあったので。そのとき、小学校の先生は確かにこう言ったのです。
「2-3って計算に答えはないんだ。だから解答不能・・・もう少し大きくなったら違うけどもね、でも今は考えなくていいから。こういう計算はありません」
小学校のとき、確かに先生はそう言った。だからその通りの答えを書いた。でも中学の先生はそれではダメだという。
「ちゃんと先週の授業でやっただろ?」
でも太郎君は先週、風邪で学校を休んでいたんですね。ちょっと進度が変わると、小学校で正しいと習った答えを書いても×がつく。太郎君は全く納得がいきません・・・。
アフリカで経験した「概念の欠如」
なんて設定で喩え話をしているわけですが、読者の皆さんご明察の通り、ここで登場する太郎君が中学校を休んだ先週、数学の授業では「負の数」「マイナスの数」というモノを教えていたわけですね。つまり、
2-3= -1
1-3-4= -6
2-2-2-2-2= -6
という具合に、0より下の「マイナスの数」の世界、そういう概念を初めて中学生たちはここで習った・・・ということになっている。
少なくともそういう建前でカリキュラムは作られているわけですね。