マット安川 夫婦・家族問題評論家で、東京家族ラボ主宰・池内ひろ美さんが初登場。非婚、少子化、離婚問題など今の日本の家族に起きている問題を中心にうかがいました。

戦後のアメリカ的個人主義、自由主義で崩壊した日本の家制度

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:池内ひろ美/前田せいめい撮影池内 ひろ美(いけうち・ひろみ)氏
夫婦・家族問題評論家。東京家族ラボ主宰。結婚と離婚、恋愛、親子関係などのコンサルティングを行う。新聞社系文化センター講師を務めるほか、マスコミ出演も多い。『男の復権』『妻の浮気』『結婚の学校』『良妻賢母』など、著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

池内 昔の日本には家制度がありました。当時はお父さんとお母さんがいて、そこのお宅で生まれた長男が家を継ぐために結婚して、子どもをなして、またその子どもが家を継承していくというのが日本の家族制度だったんですね。

 しかし、戦後67年、少し厳しい言い方かもしれませんが、アメリカに日本全体をダメにされたと私は思っています。かつてテレビドラマのアメリカンファミリーのようなものに憧れたんですけれども、あの時点ですでにアメリカはウソだったんですよ。

 決してそんなに家族が仲良かったわけじゃないし、銃社会で危険がいっぱいあったのに、キレイなところだけを見せて、日本人に憧れさせた。その結果、日本の家制度が崩壊してしまいました。

 子どもたちは、お父さんやお母さんを敬って、目上の方の教えを受けて育っていく、というのが日本の文化だったんですが、個人主義とか自由とか言われるようになった。

 いま結婚が減っているのもそうなんですけども、さあ自由に幸せになってくださいと言われて、どうしたら幸せなのかが分からなくなってきているんです。

 戦後67年のうち最初の30年はまだ古い文化のいいところを継承して、それを模倣していたけれども、後半の30年は何をしていいか分からなくなり、結婚だけでなく、恋愛もうまくできなくなってしまった。

生涯未婚率の上昇が問題。若い子は結婚願望が強い

 30代40代の未婚率が高いという問題もありますが、さらに問題なのは50代です。50歳時点で1度も結婚したことがない人は「生涯未婚率」として数えられます。

 50歳で独身だったら、あなたはもう生涯結婚をしませんよというように政府から決めつけられてしまう。その数が急激に増えているんです(2010年、男性20.1%、女性10.6%)。