購買行動が何らかの形でソーシャルメディアの影響を受けること、すなわち「購買行動のソーシャル化」にはいくつかの壁が立ちはだかっていることを前回指摘した。
ソーシャルによる物販の「壁」を乗り越えるには
一方、フェイスブックで友人が購入した商品のコメントを読んだことがある人は62%に達し、そのうち75%がそのコメントに付いている商品画像から販売サイトに遷移したことがあるという。
さらにそのうち53%がその販売サイトで商品を購入した(最終的に全体の25%が商品の購入につながった)というSocial Labsによるリポート「Social Impact Study 2012」がある。
また、選定時にクチコミの影響を受ける人は81.6%、クチコミが購入の決め手になる人は39.3%だったとするgooリサーチ「購買行動におけるクチコミの影響」、61.6%がソーシャルメディアをきっかけに商品・サービスを購入したことがあるというヘンケルジャパンによるリポート「ソーシャル時代の消費者購買行動」など、「購買行動のソーシャル化」を裏付ける調査報告は日に日に増えている。
実際、僕もその潮流を確かなものだと考えているのだが、そこにはいくつかの越えるべき壁が立ちはだかっていることもまた事実だ。
「購買行動のソーシャル化」は、概念的には購買行動がソーシャルメディアの影響を受けることだが、もう少しブレイクダウンすると、ソーシャルメディアの中に流れる商品・サービスの情報を起点にその販売サイトへ遷移しそれを購入することや、店頭で購入する際の判断材料とされることなどだと言える。
そこで、ソーシャルメディアの中に商品・サービスの情報を単に流しさえすれば、販売チャンスが生まれると企業が安易に考えるところにいくつかの壁が立ちはだかるのだ。
では、その壁を乗り越えるためには何が必要か。
「共感性」と「必然性」こそが、その壁を乗り越えるため鍵であると、僕は考えている。
もちろんもっと細分化して考えれば、その鍵は多岐にわたる。しかしこの2つの鍵は、「購買行動のソーシャル化」において特に重要な意味を持つと考えている。