カンボジア首都の空の玄関口、プノンペン国際空港を飛び立ち、お隣の国タイを飛び越えさらに北西へ。

 いよいよ諸外国にその門戸を開き始めたかに見える、東南アジア事業・投資の“ザ・ラスト・リゾート”に、筆者は今年5月初頭、カンボジアからの直行便で初めて降り立った。

ミャンマー国際航空で、いざヤンゴンへ(著者撮影、以下同)

 今その動向に世界から注目が集まるミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)まで、カンボジアからはわずか1時間強のフライトだ。

 カンボジアのビジネス事情をお伝えすることをメインテーマとする本稿では、今回も前回に引き続きカンボジアでの農業事情をお伝えする予定だった。

 が、せっかく欧州ギリシャと並んで今最も“旬”な話題の国に触れるチャンスに恵まれたことだし、自身の備忘録の意味も込めて、今回は少しカンボジアから浮気させていただいて、ミャンマー訪問記を特別篇としてお伝えしたい。

 事前勉強や事後の追加調査などもしていないので(ミャンマービジネスは本業ではないので)、あくまで行って見て感じたままを記しただけの体験記であることを事前にご了承いただきたい。

 急速な民主化推進に伴い、諸制度やルールも目まぐるしく変更されるミャンマー。まず「入国に当たりビザをどう取るのか」についても情報が錯綜していた。

 通常はミャンマー大使館(プノンペンにも東京にもある)でビザを事前取得するのが王道だ。

 が、ネット上の情報や訪問経験者情報によると、「カンボジアからの直行便だと空港で到着ビザを発給してもらえる」とか、「ただしシェムリアップからの便だけ」とか、「プノンペンにあるミャンマー料理店でビザ取得代行してもらうのがよい」とか、真偽が定かではない諸情報が氾濫し、果たしてどれが現時点の正確な情報なのか分からない。

ミャンマー航空機内の様子

 私のすぐ後にミャンマーを訪問した知人(日本人)によると、ミャンマー大使館に問い合わせても、どうもはっきりしなかったようだ。それほどルールが目まぐるしく変わっているらしい。

 実際のところは、国営(ミャンマー政府が株式の51%保有)のミャンマー国際航空(Myanmar Airways International, MAI)に搭乗して入国する外国人に限り、空港で到着ビザが発給される(2012年5月現在)。

 カンボジアからは、プノンペン国際空港からもシェムリアップ国際空港からもMAIがミャンマー直行便を運行しており、どちらからでも到着ビザによる入国が可能だ。

機内食。ビールはキャビンアテンダントがカップに注いでくれる。「写真を撮りたいので」と言って缶をトレイに置いてもらったが、撮影後はすぐ回収された

 他国の航空会社(タイ国際航空やエア・アジアなど、いくつか就航している)での入国の場合は事前ビザ取得が必要らしい。MAI差別化施策の一環だろうか。

 MAIフライトは初搭乗(エコノミー)だったが、飛行機の設備もキャビンアテンダント(CA)の対応も極めて普通。

 機内食でミャンマービールに初トライしたが、なぜかビール缶を渡してもらえない(お願いするとカップにCAがついでくれる)不思議なルールがあること以外、特に違和感はなかった。ちなみに機内食のレベルも極めて普通。