イスラム諸国におけるビジネスで、欠くことのできない視点は「ハラル」です。

 ハラルとはイスラム教の用語で、「イスラム教の教義に従っていると判断されるもの」という意味で、「ハラルである」ということは、全イスラム教徒にとっての必須事項です。

ハラルとは食の安全を保証するもの

ハラル産業の構成要素
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 ハラル製品に張られているハラルのロゴは、イスラム教の戒律にのっとって処理したこと(食品や医薬品、化粧品など)を示し、摂取しても安全であることを意味しています。

 「ハラルである」とは、食品だけに限られてはいません。右図のように、生産ラインから流通すべてにおいて、安心・安全であるということです。

 なぜ、いまイスラム市場に目を向ける必要があるのか。

 それは、日本が少子高齢化社会となってしまったからです。政府は平成6(1994)年から数々の施策を展開していますが、高齢化の進展、出生率の低下、生産人口の縮小など、いまや「超少子高齢化社会」とも呼ばれています。

 日本の人口は、現在の1億2000万人から2050年には9500万人になると言われています。毎年同じように減っていくと仮定すれば、1年間で75万人、1週間で1万5000人失っていく計算になります。

 これは、2050年までに人口1万5000人の小さい村が、毎週失われていくのと同じことです。

 それとは逆にイスラム諸国は、今後も人口増と経済成長が期待できます。

 子供は神様からの授かり者と考え、バースコントロールを禁じられているイスラム国は、2020年には世界人口の4分の1に相当する20億人に達する計算になっています。

 超少子高齢化の日本が、巨大なマーケットであるイスラム圏に目を向けるときは、「今」なのです。

 世界的なブランドである「メード・イン・ジャパン(Made in Japan)」にハラルの要素を取り入れ、イスラム圏に進出していくことが、今後の日本に必要なことだと考えます。