マレーシアの中古車輸入は年間3万6000台ですが、そのうちの2万6000台は日本からの輸入です。しかし、Made in Japan が人気なのは工業製品だけではありません。
昨年「ユニクロ」がクアラルンプールの一等地に出店し、オープン時に2000人もの行列ができて大きな話題となりました。「和民」や「大戸屋」も近々進出する予定です。
日本ブランドに、イスラム教徒にとって精神的・肉体的によいものとされている「ハラル」の要素を付加することにより、現時点で17億人の巨大なイスラム市場へ参入することが可能になります。
ハラルへの全面的な対応は、日本の産業・経済の復活に大きく貢献することでしょう。インバウンドでイスラムの富裕層を取り込み、アウトバウンドで Made in Japan をイスラム国へ送り出すのです。
味の素、キューピーなどが続々マレーシアに進出
現在マレーシアは、イスラム市場の中心、すなわち世界のハラル・ハブ国となることを目指し、国内外から企業を誘致して「ハラル」産業の拠点づくりを積極的に進めています。
政府が認証機関を持っているマレーシアのハラル認証は、世界中のハラル市場で通用するのです。
「味の素」が紆余曲折の末インドネシアで調味料の販売にこぎつけたこと、キューピーがハラル認証獲得に向けてマレーシアのマラッカに工場を設立したことなどから、ハラルに対する日本企業の意識が高まっていることは確かです。
それは、先に私が述べたように、日本のマーケットの縮小を危惧した先に見えたものが、巨大なイスラム市場だということではないでしょうか。
また、イスラム教徒の留学生のために東京大学、京都大学などは、学食にハラルのメニューを加えています。留学生にとっては、ありがたいことでしょう。私にはこのことから、つまり留学生の数からもイスラムマーケットの巨大性が見えるのです。
ハラルであるということは、全イスラム教徒にとっての必須事項ですが、イスラム教徒だけのものではないと考えます。厳しい安全基準をクリアした肉・料理という認識で、多くの人にハラルを楽しんでもらいたいと思います。
現在、弊社は「Halal for All(全ての人にハラルを)」を基本理念として、日本の方々がそのことを理解し、イスラム諸国でのビジネスで成功される手助けになりたいと願っています。
