昨年9月から暫定最高経営責任者(CEO)の下で運営してきた米ヤフーにようやく正式なトップ人事が決まった。同社は1月4日、米オンライン決済サービス大手ペイパルの社長をCEOに任命したと発表した。

4カ月間の空席埋まる

米ヤフー株急伸、AOLによる買収検討報道で

ヤフーの経営の混乱は終わるのか?〔AFPBB News

 ヤフーではキャロル・バーツ元CEOが突如解任されてから、ティモシー・モース最高財務責任者(CFO)が暫定CEOを務めており、これまで正式なCEOを探していた。

 今回白羽の矢が立ったのは、米ネットオークション大手イーベイ傘下のペイパルで2008年から社長を務めてきたスコット・トンプソン氏(54)。

 ペイパルで上級副社長や最高技術責任者(CTO)を歴任し、ペイパル入社以前は米ビザのIT子会社イノバントで上級副社長を務めた経歴も持つ人物だ。同氏は1月9日付でヤフーの正式なCEOに就任し、同社の取締役会にも加わる。

 ヤフーによると、トンプソン氏はペイパルでユーザー数を5000万人から1億400万人以上に拡大し、売り上げも18億ドルから40億ドル以上に伸ばすなど、その経営手腕は高く評価されているという。

 また米ウォールストリート・ジャーナルは、トンプソン氏は情義に厚い人物で、率直すぎる発言で何かと物議を醸した前任のキャロル・バーツ氏とは対照的だと伝えている。ヤフーは技術畑出身のトンプソン氏を起用することで、テクノロジー系幹部やプログラマーなどを引き付け、ディスプレイ広告最大手としての地位を取り戻す狙いがあると伝えている。

トンプソン氏もネット広告は未経験

 ただし、トンプソン氏もバーツ氏と同じくネット広告事業には経験がない人物で、今後株主の前でバーツ氏のCEO就任時と同様の厳しい質問にさらされるだろうとも指摘されている。

 調査会社の米イーマーケターによると、2010年に14.4%のシェアで米国市場トップだったヤフーのディスプレイ広告収入は、2011年に13.1%、2012年に12.5%に低下する見通しだ。