新年あけましておめでとうございます。

 今年も無事正月を迎えることができ、この連載も3年目を迎え「シーズン3」へと突入することになりました。世界をちょっとばかり斜め見しながら、古今東西の映画をご紹介すべく努めて参りますので、よろしくお願いいたします。

 寒い冬の日本を避け、新年を陽光降り注ぐ南海の楽園で迎える日本人も増え、このコラムを快適なリゾートホテルで読もうとしている方もおいでかもしれない。

71歳でダイビング免許を取得した映画監督

セイシェル

 南国リゾートの魅力と言ったら、何と言ってもマリンスポーツである。オーシャンブルーまぶしい海面ばかりでなく、ちょっとその下を覗いてみると世界は格段に広いものとなる。

 手軽なシュノーケリングでもいいが、せっかくなら、スキューバダイビングといきたいところだ。

 今さらそこまで、と思う向きもあるかもしれないが、71歳の時、年齢を詐称してダイビング免許を取得したという「ヒトラーお気に入りの映画監督」レニ・リーフェンシュタールが、100歳にして発表した『原色の海』(2002)の映像を見れば、モルディブやセイシェルなど、世界中の海に潜りたいという衝動に駆られるはずだ。

 そう言われても、やっぱり面倒、というのなら、文明の利器を十二分に活用したサブマリンツアーに参加することをお勧めする。

 通常アマチュアダイバーが体験できるのは、水深10~40メートル程度の世界だから、30~50メートルの深度を取る潜水艦から垣間見られる世界は、中・上級ダイバーが経験しているものになるからだ。

 ハワイやグアムなどでは、「アトランティス」「ノーチラス」といった名前の観光潜水艦ツアーが100ドル程度で1日何回も就航しているから、手軽に楽しめるのもいい。

 そんな潜水艦の名前は、ジュール・ヴェルヌの冒険小説「海底二万哩」に登場する謎の大陸アトランティスや潜水艦ノーチラス号からつけられたもののようだ。その映画版が全米公開された1954年に就役した世界初の原子力潜水艦の名前もノーチラスである。

 その原潜の潜行深度は250メートル程度。そこまで深くなると、観光潜水艦で見られる世界とは全く違ったものになる。