19日のロンドン市場はもみ合い。ドル円は77.80台を中心に、ユーロドルは1.30台前半で上下小動きに推移した。東京市場でリスク回避のドル買いと株売りを誘った北朝鮮の金総書記死去報道の影響は、一服している。ドルは、報道時のレベルまで水準を戻し、下落から始まった欧州株も前営業日比プラスに転じている。この時間まで、特段目立った発言やイベントはなかったが、落ち着きを取り戻したといったところか。
スイスフランは先週以来、主要通貨に対して全面高の展開が続いている。スイス中銀がフラン相場の上限を維持したことが背景にあるが、本日は地政学的リスクからの安全通貨としての買い需要も入った。フランはユーロに対して10月4日以来の高値水準をじりじり押し上げている。
欧州債券市場では、ユーロ圏諸国の格下げ懸念から、国債は売られ利回りは上昇している。イタリア10年物国債利回りは今月1日以来となる7%台まで一時上昇した。ドイツ債も売られる展開となっているが、スペイン債は買われている(利回りは低下)。11月後半にかけて利回りが急上昇していたことの反転が続いているが、ECBが3年物の融資を始めることで担保としての需要もあるとの指摘があった。
Klugアナリスト 鈴木信秀