オンライン小売最大手米アマゾン・ドットコムの1~3月期決算は、売上高が71億3000万ドルとなり、前年の同じ時期から46%増加した。純利益は2億9900万ドルで、同68%増加した。好調な四半期決算だったが、同時に発表した4~6月期の業績予測が投資家の期待を下回り、同社株は時間外取引で一時7.1%下落した。

 米ブルームバーグは、家電量販店の米ベスト・バイや米アップルなどの決算内容が良かったことから投資家の期待が高まっていたと報じている。

アマゾンに追徴課税140億円、東京国税局

アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス最高経営責任者〔AFPBB News

 アマゾンが発表した4~6月期の営業利益見通しは、2億2000万~3億2000万ドル。これに対しアナリスト予想の平均値は3億2220万ドルだった。

 アマゾンは、電子書籍リーダー端末「キンドル(Kindle)」の販売台数を明らかにしなかったが、同社のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は「依然として最も売れている商品」と説明した。キンドル用の電子書籍コンテンツも、50万タイトルになったという。

家電・日用品が躍進

 アマゾンがキンドルを市場投入したのは2007年。ほぼ競合商品がない中、コンテンツの販売と配信の仕組みをうまく作り、市場を席巻することができた。

 しかしアップルが先頃米国で発売したタブレット型端末「アイパッド(iPad)」が今後キンドルの強力なライバルになり、競争は激化していくとブルームバーグの記事は伝えている。クレディ・スイス・グループは、電子書籍市場におけるアマゾンのシェアは現在の90%から年内には72%まで低下すると予測している。

 ただ、アマゾンは手をこまぬいているわけではない。同社はこれまで、キンドルを自社サイトだけで取り扱ってきた。しかし今後は、ディスカウント大手の米ターゲットの店舗で販売する。