連日、米グーグルの話題で持ち切りだが、今日は欧州で行われた登録商標に関する裁判について報じられている。

仏ラグジュアリー企業『LVMH』、前年比30%増で記録的な業績 - フランス

LVMHは、シャンパンのドン・ペリニヨン、アパレルのルイ・ヴィトンやフェンディといった高級ブランドを傘下に持つ〔AFPBB News

 これはフランスの高級ブランドLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが、グーグルを相手取って起こした訴訟だ。LVMHは、グーグルが広告主に対し、ブランド名などの登録商標を検索キーワードとして自由に購入できるようにしている行為が商標法に違反していると主張していた。

 グーグルの検索広告サービス「アドワーズ(AdWords)」では競売形式で検索キーワードを購入できるようにしている。そのキーワードでユーザーが検索を行った際、検索結果の画面右側にその広告主の広告が表示される。ユーザーはこれをクリックして販売サイトなどに移動して情報を入手したり、商品を購入したりできる。

 ところが、そうした業者の中には、偽造品を販売するものもある。また競合ブランドの検索キーワードを使って自社広告を出している企業もある。

 欧州司法裁判所は現地時間3月23日、「グーグルが競合ブランドの検索キーワードを販売しても、その行為は商標権侵害には当たらない」という判断を示した。また欧州法を適用し、グーグルの広告サービスをインターネットホスティングサービスと見なした。これにより、「検索語と商品が異なる場合、それを明示する責任はグーグルにはなく、広告主にある」とした。

「商標権を持つ企業にとって後退」

 米ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、その一方で商標権を持つ企業はグーグルに対し、消費者を惑わす広告を排除するよう求められるようになった。LVMHの副社長はこれについて、特定の広告の販売をやめさせられる裁量の余地を我々に与える判決となった、とコメントしている。

 LVMHは正式声明も出している。その中で同社は「広告主が商標権を持つ企業の同意を得なければならないとした判決を歓迎する」と述べている。LVMHはこの「同意を得る必要」に満足しているようだ。