23日のロンドン市場はドル高が進んだ。ドイツ債入札が大幅に札割れするなどでユーロドルが売られ、ドル買いを促した。ユーロドルは10月上旬のレベル、ドル円は77.20台までドル高が進行している。
ドイツが実施した10年物国債入札は、予定額60億ユーロのうち、ドイツ連銀が全体の39%を購入、金融機関による落札は36億ユーロ程度に留まった。今年の10年債入札で連銀の購入比率は平均で17.83%だといい、少なくとも1999年7月以降で最高の購入比率になったようだ。発行債券の35%に応札がなかったという。流通市場ではドイツ10年物国債利回りが急上昇し、米債の利回りを上回った。これまで欧州危機が懸念される時には避難先としてドイツ債が買われ(利回りは低下)ていたが、ドイツ債の需要が大きく低迷するほどに市場はユーロ圏に警戒しているようだ。ECBは、イタリアとスペインの短期債を購入したもようだが、本日もユーロ圏諸国の国債利回りは上昇した(価格は下落)。
格付け会社フィッチは、ユーロ圏危機の悪化はフランスの「AAA」格付けをリスクにさらす可能性があると指摘している。
◆英中銀MPC議事録
11月9-10日に開催された英中銀の金融政策委員会の議事録が公表され、政策金利0.5%と資産買い入れ枠の2750億ポンドの据え置きは全員一致で決定されていた。また、一部の委員からは量的緩和拡大が必要となる可能性が指摘されていた。議事録を受けて市場はポンド買いで反応していたが、上値は限定された。
Klugアナリスト 鈴木信秀