28日のロンドン市場でユーロは軟調に推移した。特段目立った材料は出なかったが、ポジション調整中心でじり安に推移している。ユーロドルは1.41台後半から1.41台前半に小幅下落し、ユーロ円は107円台後半から107円台前半に値を落とした。イタリア債の入札が低調だったことはユーロの重石。イタリア10年債の落札利回りは6.06%とユーロ導入以来の最高水準で、コスト悪化を示している。
市場の反応はほとんど見られなかったが経済指標では、スペイン第3四半期の失業率が21.52%と1996年第4四半期以来の高水準となった。また、ドイツ与党の有力議員は、EFSFの流通市場での債券購入について、同国の憲法裁が判断を下すまで事実上不可能との見解を示している。

◆ユーロ圏外のEU加盟国と連携
キャメロン英首相は、欧州債務危機の解決を目指す中でユーロ圏外のEU加盟国の利益が損なわれないよう、英政府がそうした国々と連携していく考えを示した。また首相は、欧州委員会がEU加盟国すべての守護者としての任務を適正に果たすべきだと述べた。26日の首脳会議の後、ポーランドやデンマーク、チェコの首脳と個別に会談を行ったことも明らかにした。

Klugアナリスト 鈴木信秀