大量の国債発行残高、そして新規発行予定額がテレビでも話題に上り始めた。

 財政収支に関する政府の無策ぶりに対し、これまで政治的タブーとされてきた消費税率引き上げにもコメンテーターが触れるケースが増えたように感じる。この傾向は評価する。だが同時に、新聞が「日銀も国債消化に協力すべきだ」といった論調を打ちだし始めた風潮には警鐘を鳴らしたい。

 一方、国際金融市場において2010年前半の大きなテーマは、ソブリンリスク(国家に対する融資や資金供与が回収不能になるリスク)である。

経済危機のギリシャ、緊急財政再建計画を発表 EUに提出へ

ギリシャ政府、緊急財政再建計画を発表〔AFPBB News

 財政危機に直面する国家は、2種類に大別できる。1つはリーマン・ショック以降、金融危機対応を中心に財政支出が拡大した先進国。もう1つが、資源価格高騰などを背景に好景気を当てにして、過度な成長期待に基づく税収を前提に歳出を膨らませた新興国である。

 原油価格の値戻しにより、中東では当初懸念されたほど財政危機が表面化していないが、南欧や東欧などのソブリンリスクには注目が高まっている。その典型がギリシャであり、国家として資金繰りに窮する状況に陥っている。

狙われる日本国債、「暴落」に賭ける海外勢

 日本の国債市場では、海外勢を中心に将来の「国債暴落」を見込んだポジションづくりが進んでいる。世界的に見て対GDP(国内総生産)比率が極めて高い国債残高を抱えており、これまでのような長期金利の低位安定が続くはずないと予想しているのだ。

 また「ギャンブル」として考えても、「これだけ低金利であれば、日本国債の価格下落に賭けた方が儲けは大きい」というインセンティブが働く。

 日本国内に居ると、「これだけ景気が悪いし、将来のダイナミックな成長も見込まれないのだから、長期金利が上がるわけない」と決め込みがちである。

 しかし、海外の投資家は客観的に財政収支を分析しながら、「いずれ日本は財政破綻」と考える。確かに、過去の各国の事例を見る限り、これだけ財政状況が悪いのに国債市場が安定している事例はない。

ホームバイアス=言語+円高リスク+ゆうちょ+根拠なき信頼感

 その背景を完全には解明できないが、いくつかの要素が絡み合っているのは間違いない。