13日のロンドン市場はリスク回避型。欧州株は下値を模索し、逃避先として米債が買われ、円とドルが買われる展開となった。ユーロドルは1.38台前半から1.37台前半に、ユーロ円は106円台半ばから105円台前半まで一時下げ幅を広げた。ドル円も77円台前半から76.60台まで値を落とした。ユーロ円は本邦輸出企業の売りで106円ちょうどを割り込み、ストップロスのユーロ売りを巻き込み下げ幅を広げたとの指摘がある。また、ドル円はCTA系ヘッジファンドの売りが入り、77円ちょうどを割り込みストップロスのドル売りを巻き込み下落したとのこと。ドル円は、昨日の上昇を受けて短期筋がロングに傾いていたようだ。

ECBは月報を公表、ユーロ圏経済は不確実性が高まる中、下向きの勢いが強まっていると警戒を示した。また、民間債権者に負担を押し付けようとする動きに関しては、ユーロの信認低下となり、圏内の銀行を傷つけ為替市場の変動を高めることになるとの見解を示した。ただ、一般的な考えを示したに過ぎず、現在議論されているギリシャ債のヘアカットについての具体的言及はなかった。
その他、ベルルスコーニ政権の信認投票が明日に予定されている中、イタリア10年物国債利回りは上昇していたが(価格は下落)、イタリア債入札後にECBがイタリア債を購入したもようで、利回りはやや低下している。首相は信認投票で勝利を確信しているが、もし敗北すれば早期に選挙を行うと述べた。

Klugアナリスト 鈴木信秀