11日のロンドン市場でユーロや豪ドルは軟調な展開となった。7月21日のEU首脳会議で合意したEFSF拡充へ向けた法案をスロバキア議会が採決する前に、要人発言や思惑でリスク回避に傾いた。ユーロドルは昨日の上昇を受けて短期筋がロングに傾いているといい、一時1.36を割り込みストップロスのユーロ売りを巻き込み、1.3570台まで下落した。ただ、その後は1.3600を挟んだもみ合いとなっている。全般的にはスロバキア議会の結果を前にして小動きとなった。

ユーロ圏諸国の中で同法案を未承認なのはスロバキアのみとなっており、さらに、政権与党内でも不協和音があることから注目されている。ラディツォバー首相は与党会談を終えて、合意には達していないと発言したことでユーロ売りに弾みがかかる場面もあった。ただ、否決されたとしても2回目の採決を実行するとしており、最大野党のスメル党は早期の総選挙実施などを条件に2回目の採決での支持を表明している。一方、連立政権の一角を担う「自由と連帯(SaS)」幹部は、採決には参加しないと述べた。

ギリシャ入りしているトロイカ調査団(EU、IMF、ECB)は、EUとIMFが調査団の報告を承認すればギリシャへの6回目の融資が実施されると述べた。実施時期は11月上旬の公算が大としている。一方、ギリシャの2011年財政目標の達成は困難な見通しだともした。

Klugアナリスト 鈴木信秀