5日のロンドン市場は、欧州株が反発したことでユーロが堅調に推移している。取引序盤は東京市場からの水準を引き継いで各通貨とも動意に乏しい揉み合い相場が続いた。欧州各国の9月サービスPMIは予想を下回るものが相次ぎ、景気見通しの冷え込みが示された。また、ユーロ圏小売売上高も低調だったが、ユーロ売りの動きは限定的だった。一方、欧州株式市場は昨日の下げからの反発が強まっている。英FT指数は2%超、独DAX指数は3%超の上昇となっている。昨日話題になったベルギー金融サービスのデクシアに対してフランスやベルギー政府が支援する姿勢を明確にしたことが安心感を誘っている。同社株は昨日は一時32%安となったが、本日は8%超買われる動きを示した。ユーロは次第に買いが優勢となって、ユーロドルは一時1.3374レベル、ユーロ円は102.65レベルまで上昇した。ユーロドルは前日高値を上回っている。ただ、市場では売り持ちを解消する動きにすぎず、ユーロを積極的に買える材料はほとんど見あたらないとの声が多い。トロイカ調査団筋によると、ギリシャ調査は進んでいるが進展は遅く終了していない、と困難な作業が続いていることを明らかにしている。NY市場では米ADP雇用統計とISM非製造業景況指数の発表が控えており、ユーロ買いの動きも一服しつつある。ドル円は76円台後半での揉み合い。豪ドルは、豪ドル円73.50近辺、豪ドル/ドル0.96近辺へとやや水準を上げている。全般に過度のリスク回避ムードは後退している。

◆英ポンドは指標めぐり上下動
ポンドにとっては日本時間17時半に発表された英経済指標をめぐって売買が交錯した。9月の英CIPS非製造業PMIは52.9と、市場予想50.5、前回8月51.1を上回る結果だった。ポンド買いの反応が強まった。しかし、続いて発表された英第2四半期GDP・確報値は前期比+0.1%、前年比+0.6%と、改定値よりそれぞれ0.1%ポイント下方修正された。これを受けてポンドはPMIの上げ幅を消す場面もあった。あすの英中銀金融政策委員会を控えて追加緩和策が発表されるかどうか。英指標の強弱入り乱れる結果に、市場の思惑も2分されそうだ。ポンドドルは1.54台、ポンド円は118円台での神経質な上下動を繰り返している。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)