3日の東京市場はリスク回避色が強まる展開となった。株式は香港ハンセン指数の4%超安を筆頭に下落しており、ユーロや豪ドル、カナダドルはドルと円に対して先週金曜日の安値を下抜けしている。ユーロドルは1月18日以来の水準に下落しており、豪ドル/ドルは昨年12月1日以来となる0.95台後半まで一時値を落とした。また、カナダ円は2009年2月以来の水準で下押しした。ドル円は、早朝のユーロドルでのドル高に連れて、77.26近辺まで上昇する場面があったものの、クロス円の下落に伴い一時77円を割り込んだ。また、ファンドの換金による現金化で、新興国通貨も売られているという。
昨日、ギリシャ政府は2012年予算案を公表、11年、12年ともに財政赤字削減目標に到達できない見込みとなった。11年のGDP比は8.5%で目標は7.6%、12年は6.8%とトロイカ(EU、IMF、ECB)との合意6.5%に到達出来ないとの内容だ。同公表を受けて、東京市場の早朝はユーロ売りが先行したとの指摘がある。

また、ドイツ連立与党に参加しているキリスト教社会同盟(CSU)幹部は、ギリシャはユーロ圏から離脱した方がうまくいく可能性があると指摘、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)幹部は、ギリシャは破綻状態にあり、少なくとも50%の債券放棄が必要になる可能性が高いと述べている。
そのような中、本日はルクセンブルクでユーロ圏財務相会合が開催される。EFSFのレバレッジ活用方法と、ギリシャの構造改革推進について協議するとのこと。

なお、午前中に発表された日銀短観はほぼ予想通りともあって、反応は薄かった。大企業・製造業の2011年度の想定するドル円レートは81.15。
本日は、韓国と中国、豪州市場は祝日のため休場となっている。

Klugアナリスト 鈴木信秀