30日の東京市場は、全般にドル高・円高が優勢になっている。29日のNY株式市場が堅調だったことで小高く始まったユーロドルやユーロ円は1.36レベル、104.50レベルが重く、それぞれ1.3530レベル、103.65レベルまで水準を下げている。昨日2週間ぶりの77円台に乗せる場面があったドル円も76.80近辺から76.50近辺まで下押し。株式市場や商品市況は小動きで模様眺め気分が広がっている。中国株は来週の国慶節を控えて取引手控えに。連日のEFSF拡充法案の承認で過度のリスク回避は落ち着いてきているが、来週にかけてもユーロ圏・EU財務相会合などイベントが相次ぐことから不透明感は払拭しきれていない模様。ただ、午後にはやや買い戻しもみられている。この後の海外市場ではフランスとギリシャの首脳会談が注目される。
◆S&Pがニュージーランド格下げ
昨日フィッチが格下げを発表したニュージーランドだが、本日も米S&Pが1段階の格下げを発表した。NZドルは大幅に売り込まれてはいないものの、ユーロなど欧州通貨と同様に水準を下げている。NZドル/ドルは0.76台半ば、NZドル円は58円台後半と前日NY市場での安値水準を再びトライする水準となっている。イングリッシュNZ財務相は、格下げは政治的な失敗を受けたものではない、NZ経済は弱体化していない、と述べたが、市場ではNZ債が今年最大の下落となっていた。
◆安住財務相、必要なら断固として行動する
ドル円については、安住財務相発言が注目されている。為替トレーダーの持ち高報告を12月まで延長する、3次補正でFB発行限度額を15兆円引き上げる、あらゆる措置を排除せず、必要なら断固として行動する、市場モニタリングを強化し投機的な動きがないか監視する、と円高対策について述べた。ドル円の75-80円の円高水準は日本経済に冷水を浴びせる、とも述べており、現状の円高水準に強い懸念を示した。発言により介入への思惑もあるものの、ドル円は76円台半ばで小動きとなっていた。9月の取引最終日で、ゴトウ日も仲値需要は盛り上がらなかった。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)