29日のロンドン市場はドイツ議会の法案可決報道などで神経質な展開。市場は引き続き欧州財政問題に注目しており、伝わるニュースで上下に振れた。ユーロドルは1.36台前半で始まった後、1.3670台まで上昇したが、再び1.36台前半に戻している。ポンドや豪ドルも対円、対ドルで同様に伸び悩む動きをした。
ユーロが上昇した主因はドイツ議会の法案採決報道。ドイツ下院議会はEFSF拡充法案を本日採決したが、投票開始が伝わると欧州株やユーロなども買われ、法案が賛成多数で可決されたとの報道が伝わると一段高となった。ただ、上値も限定され伸び悩む中、ドル円でドル買いが入ったこともありユーロ安ドル高に進み、豪ドルやポンドにもドル買いが入った。欧州委員会はドイツ議会で法案が可決したことを歓迎し、批准作業が10月半ばまでに完了するとの自信を示した。ドル円でドル高がやや進んだのは、福島県沖を震源とした最大震度5強の地震発生が背景、との指摘があった。
ロンドン市場序盤には、ドイツ9月の雇用統計が改善されていたことでユーロが買われたり、イタリア債入札でコストが悪化したことでユーロ売りが入ったりした場面もあった。ただ、それぞれ値動きは限定された。なお独雇用統計では、失業率が6.9%とドイツ東西統一後の最低水準を更新している。
Klugアナリスト 鈴木信秀