27日のロンドン市場は欧州株や商品相場が大きく続伸する中、ドルと円が売られる展開となった。リスク回避の後退が昨日の欧米市場から継続している。ユーロやポンド、豪ドルなどがドルと円に対して上昇した。ユーロドルは序盤、1.35割れまで売られる場面があったがショートがたまってしまったようだ。一時1.36台まで回復している。
ロンドン市場序盤、スペインのサルガド財務相がEFSFの2兆ユーロへの拡大について、協議に上がっていないとコメントしたことが伝わるとユーロは売られた。その後、スペイン債やイタリア債の入札がコストが悪化するなど低調だったこともユーロを下押しした。欧州委員会もEFSFの拡充についてEUは正式な協議は開始していないと表明している。ただ、欧州株式が一本調子で上昇する中、ユーロも反発に転じている。
ギリシャのパパンドレウ首相は訪問しているベルリンで、EUとIMFの調査団が設定したすべての条件を履行することを約束すると述べ、ギリシャは債務危機を克服できるとの姿勢を示した。また、ベニゼロス財務相は、EUとIMF、ECBによる調査団が今週アテネ入りし、10月中に80億ユーロの融資が実行される見通しとの見解を述べた。ただ一方、悪環境に陥っている中、EUとIMFの当初の目標は野心的過ぎるともした。
その他、オーストリアのフェクター財務相は、EFSFの柔軟性について10月3日のユーロ財務相会合で協議すると述べた。反面、ドイツ政府筋は7月の欧州財務相会合合意以上のEFSF拡充計画は持ち合わせていないとした。
いろいろな発言が飛び交う中、日本時間28日午前1時にはギリシャ議会が不動産税導入の採決に入り、同3時からはドイツとギリシャの首脳会談が開かれる。
Klugアナリスト 鈴木信秀