3連休明け、20日の東京市場でドル円は軟調に推移した。5・10日(ごとうび)ということもあって朝方は買いが先行したものの上値追いは続かず、逆に値を落としている。ギリシャの財政懸念が再び強まっていることや、格付け会社S&Pがイタリア債を格下げしたことで日本株やアジア株は軟調に推移しており、リスク回避色から円が買われている。ユーロ円やカナダ円は本日の安値圏に下落した後、底値圏で推移している。
ギリシャのパパンドレウ首相は地元紙に対して、債務危機対応継続かユーロ離脱かで国民投票を検討していると述べた。また、関係筋によると中国の国有銀行の1行がUBS、ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバ、クレディ・アグリコルとの為替スワップ取引を停止したとのこと。欧州の金融システム不安が市場に再び重くのしかかってきており、今晩の欧米市場参加者の出方に注意したい。
RBA(豪中銀)は今月6日に開催した理事会の議事録を公表し、中期的なインフレ見通し懸念をあらためて表明、発表を受けて豪ドルは主要通貨に対して買われた。ただ、金利を据え置いた理由として、世界経済の不透明感と短期的な国内成長鈍化を挙げており、上値も限定され、リスク回避の動きにも伴い豪ドルはじりじり値を落としている。
Klugアナリスト 鈴木信秀