15日のロンドン市場はドル安が進む展開。米株価指数先物や欧州株が堅調に推移する中、ユーロやポンド、豪ドルに買いが入り相対的にドルが売られた。ドル円は今月2日以来の水準まで下落している。
昨晩の独仏首脳とギリシャ首相との電話会談で、ギリシャのユーロ離脱の選択肢はない、と明らかにされたことから極端なリスク回避傾向が和らいでいる。本日は特段、ユーロを支持する発言等は出ていない。
17:30に発表された英8月の小売売上高は予想ほど悪くは無く、前回値が上方修正されたことからポンドドルが買われたこともドル安の一因。

メルケル独首相は自動車ショーの演説で、ユーロ圏の未来を確保するためドイツは義務を負っているとの認識を語る一方、ユーロ共同債は完全に間違いだとしたことが伝わったものの相場への反応は限定的だった。

◆スイス中銀はフラン高抑制の方針を再び
スイス中銀は政策金利の据え置きを発表、声明でフラン高抑制の意思を再び伝えた。ユーロスイスの水準で1.2000を下限と、フラン高への防衛方針を今月6日に続き発表、必要とあればさらなる措置を講じるとした。声明発表を受けてユーロスイスは今月9日以来となる水準までユーロ高/スイス安が進んだ。ただ、1.2100手前で伸び悩んでいる。
スイス系大手銀行UBSは、トレーディング部門でトレーダーが認められていない取引を用いて20億ドルの損失を出し、第3四半期に損失を計上する可能性があることを発表、UBS株は一時8%超下落した。その後、ロンドン市警は当トレーダーを職権乱用により詐欺容疑で逮捕したことを伝えた。一時ユーロ売りで反応する場面があったものの、限定的だった。

Klugアナリスト 鈴木信秀