6日のNY市場、欧州債務懸念の再燃からユーロを始めとした欧州通貨の売りが加速しており、ギリシャ支援実施に対する不透明感が強まっており、また、欧州銀の資本劣化への懸念も根強い。
一部報道で、ドイツの議員がメルケル独首相に対し、ギリシャがユーロ圏を離脱するかもしれないとの警戒を述べたとの報道も出るなど、情勢は混沌としている。ユーロドルはオプションの防戦買いも観測されてた節目の1.40をブレイク、スイス中銀のスイスフランの上限目標設定発表後の急上昇から250ポイント超急落した格好。1.40割れは7月中旬以来となる。
ユーロと伴にポンドも売りが強まり、ポンドドルは1.60の節目をブレイクした。オズボーン英財務相もユーロ問題の英国への影響は不可避との見解を示しており、対岸の火事とは行かないようだ。ポンドドルは本日の高値から250ポイント急落しているが、この動きで200日線(本日1.6120付近)を完全にブレイクしており、7月安値1.5780の水準が完全に視野に入って来ている。
◆ドル円は堅調 上値レジスタンス水準に
ドル買いの動きからドル円は堅調な展開を見せ、目先のレジスタンスである8月25日高値の77.70水準まで一時上昇した。78円にかけては輸出企業の売りも厚く観測されている状況。
海外勢の中には本日のスイス中銀の決定を受けて、政府・日銀も同様の措置を取って来るのではとの憶測も出ているようだ。しかし、スイスと違い、日本はG7に加盟していることもあり、そこまでの可能性は低いように思われる。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)