以前、このコラムでもお伝えしたが、私は今、映画祭の実行委員長をしている。地元、山口県周南市で初めての本格的な映画祭「周南映画祭~絆」だ。
11月21日から23日にかけて周南駅前の商店街を舞台に開催する予定で、上映映画のラインアップに加え、イベントを盛り上げてくれるゲストの招聘や、様々なイベントを企画している。
せっかく山口県でやる映画祭なのだから、できるだけ地元出身の映画監督や俳優にスポットを当てることにした。それが地方でやる映画祭の使命だと考えるからである。
例えば、周南市の大津島も舞台となった映画「出口のない海」(太平洋戦争時に人間が乗り込んで敵艦に体当たりした「回天」の搭乗員を描いた作品。主役は市川海老蔵)や、下関が舞台となった「チルソクの夏」(日韓友好のために開催される陸上競技大会を舞台にした作品。水谷妃里、上野樹里らが出演)で有名な佐々部清監督をゲストに迎える。
また、山口県出身の名俳優、松田優作特集も組んだ。今年は没後20周年ということで、全国的な盛り上がりを見せているが、映画祭でこんな特集を組むのはうちだけだ。おまけに松田優作のプライベート写真を唯一撮ることが許されたという伝説のカメラマン、渡邉俊夫氏にもゲスト出演していただく。
まちをきれいにしてお客さんを迎えよう
さらに今回の映画祭が特徴的なのは、単に映画上映やゲストイベントだけでなく、まちづくりを前面に掲げている点である。
駅前商店街の一角に事務局を「シネマ・カフェ」という形で設け、そこを拠点に様々な賑わい創出のためのしかけを用意している。その1つが、11月3日に行った「商店街ビフォアー・アフター大作戦」である。