英セントアンドルーズで6~7日、G20財務相・中央銀行総裁会議が開催された。

 結論から言うと、9月下旬のG20サミットで打ち出された「不均衡是正」合意の具体化が議論されたものの、各国の意見を一つに集約するのがどうにも難しく、事前に浮上していた数値目標を導入することができないなど、中途半端な結果に終わった。

 また、国際通貨危機(IMF)が今回の会議で「出口戦略」に関する7原則を提示。「出口」を模索する際には財政健全化が金融政策正常化に優先すると明記するなど、興味深い内容が盛り込まれた。だが、後述するように、各国の経済政策運営に対する拘束力は、現時点ではほとんどなさそうである。

 今回のG20財務相・中央銀行総裁会議は共同声明に、「危機への我々の調和した対応の後、経済及び金融の情勢は改善した。しかし、回復は一様でなく、政策支援に引き続き依存しており、高い失業率は主要な懸念事項である。世界経済と金融システムの健全性を回復するために、我々は回復が確実となるまで、回復のための支援を維持することに合意した」「回復が確保されるまで経済への支援を引き続き提供する一方、我々はまた、我々の例外的なマクロ経済支援策及び金融支援策の解消のための我々の戦略の作成を続けることにコミットする」と明記した(財務省ウェブサイト掲載の仮訳から引用)。現在各国で見られている経済指標改善は自律的な力強いものではなく、もっぱら政策効果に依存したものであるという点、および、「出口戦略」の検討は行い続けるにせよ、その実行は時期尚早であるという点で一致した。

 「不均衡是正」に向けた各国間の政策の相互評価については、共同声明で、次のような「工程表」が示された。

・2010年1月末までに、「各国が政策の枠組み・計画・予測を提示」
・2010年4月に、「IMFと世銀の分析による支援を受けて、各国の政策について最初の政策相互評価を実行」
・2010年6月に、「目的達成のための政策オプションを作成し、サミットに提示」
・2010年11月に、「政策相互評価を再検討し、より詳細な政策提言をサミットで作成」