8月末のロンドン市場は方向性のない展開。欧州株や米株価指数先物は上昇しているが、為替市場ではリスク選好的値動きにならなかった。欧州株が上げ幅を縮小する場面では、ユーロドルやポンドドルが売られたものの限定的だった。ポンドドルは一時昨日の安値に並び、ポンド円は今月12日以来となる水準まで下落したが、それぞれ東京市場のレベルに戻している。
スイスフランは主要通貨に対して上昇している。スイス中銀によるフラン高抑制策第2弾が本日発表されるとの観測が昨日にあったが、後退した格好。フランはユーロやドル、ポンドに対して先週末のレベルまで買われた。

財務省が公表した外国為替平衡操作の実施状況(月ベース)によると、7月28日~8月29日における外国為替平衡操作額は4兆5129億円となった。時期は不明だが、8月4日のみならば1日の介入規模としては記録が残る1991年4月以降で最大となる。これまでは、円安是正のために1998年4月10日に円買い介入を行った時の2兆6201億円が最大。昨年9月15日に実施した円売り介入額は2兆1249億円。今回の詳細は、7-9月期分を発表する11月上旬となる。市場推計では4.46兆-4.66兆円と見られていた。
介入時、ドル円は80.25まで上昇したがそれが8月の高値となり、その後19日には過去最安値となる75.95まで下落し、その後も戻りは77円台後半で止められ足元では76円台での推移が続いている。

Klugアナリスト 鈴木信秀