30日のNY市場、ややリスク選好的な雰囲気もあり、ロンドン時間に下落した欧州通貨も下げ渋り、ドルは軟調に推移した。この日発表になった米消費者信頼感指数は予想以上に弱い内容となったものの、8月調査分のセンチメント系の指標は悪化が事前に予想されており反応は一時的となった。午後にはFOMC議事録が発表され、追加緩和の討議がなされるなど、次回FOMCでの追加緩和に含みを残す内容となっていたことも、ドル売りをフォローしている。
しかし、全体的には様子見気分が強く、週末の米雇用統計を始めとした更なる情報を待つ雰囲気が強い。
ユーロドルは1.43台まで下落していたが、1.44台半ばまで戻す動き。今週のECB理事会での利上げ打ち止め観測やギリシャ担保問題、イタリア債入札の不調を材料にユーロドルの圧迫感は強いが、NY時間に入ると一段落している。ドル円は76円台半ばでの膠着状態が続いている。下押す動きも無いが、77円台での抵抗感も強そうだ。一方、原油も上昇する中、豪ドルが強い動きを見せた。
◆ギリシャ支援の担保に銀行株も
ドイツ紙がEU外交筋の話として、ギリシャ支援に関してユーロ圏はフィンランドを含む資金提供国に対してギリシャの銀行株を担保にすることを検討していると伝えていた。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の最高責任者レークリング氏の提案で、来週にも協議するとしており、ギリシャの一部銀行は国有化されるだろうとも伝えている。担保については賛否両論があり波乱含みの展開も予想される。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)