30日の東京市場は、リスク選好ムードを維持しているが値動きは鈍い。前日のNY株式市場ではダウ平均が254ドル高と大きく買われて引けた。日経平均は100円超の大幅高で取引を開始するなどアジア株も堅調に推移している。その後は高止まりとなって値動きは落ち着いている。ドル円は仲値にかけて77円を目指す動きがみられたが、乗せ切れず76.80-90レベルでの取引が続いている。ユーロ円は111.50-80、ポンド円は125.95-126.35でのレンジ取引。

そのなかで、リスクに敏感なオセアニア通貨は一段高の動きをみせた。NZドルは朝方発表されたNZ住宅建設許可が7月は前月比13%増を6月の1.4%減から大きく改善したことを好感して買われた。NZドル/ドルは0.85台乗せ、NZドル円は65円台半ばへと水準を上げた。また、豪ドルもつれ高となり、豪ドル/ドル1.06台後半、豪ドル円82円台乗せまで買われた。ただ、仲値公示を過ぎてからはやや調整に押される動きとなっている。7月の豪住宅建設許可件数が前月比+1.0%と事前予想+2.0%に届かなかったことも影響したもよう。

◆7月失業率は4.7%に悪化、有効求人倍率は0.64倍に上昇
7月の日本の失業率は4.7%と6月の4.6%から0.1ポイント悪化した。一方、7月の有効求人倍率は0.64倍と6月の0.63倍から0.1ポイント上昇した。有効求人倍率の改善は2ヶ月連続で、東日本大震災の被害が大きかった東北地域での回復が目立った。また、有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は1.07倍と、前月から0.07ポイント上昇した。ただ、株式、為替市場ともに反応しにくい結果だったようだ。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)