平成バブルがはじけ、不動産不況真っ只中の今、しかし、不景気だからマンションが売れないというのは本当なのでしょうか。

 好況時には、どんなマンションでも、同じように売れたのかもしれません。しかし、不景気になると消費者も、企業も購買に関する選択眼が厳しくなります。その結果、中途半端な商品は支持されなくなるのです。

億ションを即日完売した野村不動産

 特に、投資対効果つまり価格に見合った価値がないと思われた商品は、見向きもされなくなるでしょう。それは、マンションだけでなく、すべての商品、すべての業界にあてはまることに違いありません。

 逆に、どんな不況下でも、確かな商品価値がある場合には、放っておかれないのもまたもう1つの事実です。そして、この平成不況をものともせず、億ションの即日完売を達成したのが、野村不動産の「プラウド新宿御苑エンパイア」です。

 この物件は、JR総武線・中央線の「千駄ヶ谷」駅徒歩6分に立地する、1963年築の民間分譲マンション「エンパイアコープ」を、「プラウド新宿御苑エンパイア」として地上13階建てマンションに建て替えるもので、総戸数93戸のうちの一般分譲住戸35戸を即日完売したと発表されたのです。

 販売住戸の平均価格は1億3188万円、平均専有面積は83平方メートル。6月中旬のモデルルーム開設時から約1000組が来場し、35戸に対する登録件数は66件、最高倍率5倍、平均倍率1.88倍だったということです。

 登録申込者の年齢は40代が全体の約35%で、30代が約25%、50代が約21%。平均家族数は2.2人で、会社オーナー、会社役員、医者等が中心でした。