県道12号原町川俣線を川俣町から飯舘村に入ると「飯舘村」の標識を少し過ぎたあたりにこのモニュメントが建つ。このほかに8つのモニュメントが村に入る主な道沿いにあって、それぞれユニークなフォルムを見せている
空と山を映して澄んだ水が村内をゆったりと流れる。土手の腰まで伸びた草むらをかき分けながらの撮影だった

 3.11から2カ月ほどが過ぎた5月20日。住民の健康診断が行われる、その取材に写真撮影で同行したのが、飯舘村を訪れた最初だった。

 当日早く、前日から福島入りをしていた面々と福島駅で合流、レンタカーの後部座席に乗り込み飯舘村を目指す。20分ほども走ると、窓外には中山間地の景色が広がる。

 山の間を縫って対向2車線の道路が走る。道路脇から山肌までのわずかな平地に、土地の起伏に合わせて狭い田が段差をつくって並ぶ。畦の草はきれいに刈り取られている。田の横を細い農業用水が流れる。

 時季は5月も後半に入って、多くの田では田植えを終え、空を映す水面に苗の緑がさわさわと風に波打っている。