待ってました!――。
大向こうからそんな掛け声が聞こえてきそうな気がした。白浪五人男ならぬ、「JAL再生タスクフォース」の5人衆である。産業再生機構で産業再生委員長を務めた高木新二郎氏、最高執行責任者(COO)としてダイエーなどの再建作業で陣頭指揮に立った冨山和彦氏・・・。日本航空の再建問題に関し、前原誠司国土交通相が設置を決めたタスクフォースのメンバーは、何れ劣らぬ「千両役者」が揃い踏みとなった。
話の筋立てが悪く、ただダラダラと緊張感なく続けられてきた・・・。そんなイメージの強いこれまでの「日航再建劇」。素人芝居をこれ以上続けていても、再建なんかできやしないと業を煮やした前原国交相が、当代随一とされるプロの力を借りて最後の賭けに出たというところだろう。
再生機構の流儀「時に熱く、時には冷徹」
前原国交相は就任直後の会見で、麻生前政権下で設けられた日航の経営再建に関する「有識者会議」を白紙に戻す考えを表明した。敢えて言うなら、タスクフォースはその有識者会議に代わるものだが、組織としての重みはタスクフォースの方が格段に上だ。日航自らが中心となって再建計画を策定するに当たり、細部にわたって深く関わり指導・助言を行う。そして、抜本的な改革につながる中身をつくり上げていくという。