9日のNY市場、この日のFOMC声明で、異例の低金利状態を2013年半ばまで継続する公算と具体的な期日にまで踏み込んだことで、リスク回避の動きが一服している。

発表直後こそ、一部で期待されていた量的緩和第3弾(QE3)の実施までは明確に示されず、景気判断も下方修正、そして、3名の連銀総裁が反対していたことなどから警戒感が高まる場面も見られたが、終盤に米株の買戻しが加速したことから、ユーロや資源国通貨も買いが強まっている。ユーロドルは1.43台後半まで上昇。

円相場も終盤に円安が強まったが、ドル円の戻りは鈍い。この先2年間の超低金利維持が示されたことから、米10年債利回りが一時2.03%台と過去最低水準に低下し、ドル売りが圧迫した。ただ、一時76.70近辺まで値を落としたが、介入警戒感もあり下値には慎重さも見られる。

◆ポンド軟調、明日のインフレ報告に警戒

終盤は下げ渋ったものの、きょうはポンドの売りが目立っていた。一部では明日の英中銀インフレ報告が弱気な内容になるとの警戒感が強まっている。いち早く緊縮財政を実施し、債務問題に関する懸念は少ないものの、その影響もあり景気に対する懸念は強い。ロンドンでは経済政策に不満を持った若者の暴動も発生している状況。このところ消去法的な買いから底堅さも見えていたが、きょうは売りが強まっていたようだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)