1日のロンドン市場で円とスイスフランは買われた。東京時間では米連邦債務上限引上げ問題に進展があったことから円とスイスフランに巻き返しの売りが入っていたが、再び逃避通貨に買い方が戻った格好となった。ドル円は76.87近辺と先週末の安値76.73に迫り、ドルスイスとポンドスイスは過去最安値を更新した。ドル円の下落に伴いクロス円も値を落とし、ポンド円は本日の安値圏に下落。ユーロドルと豪ドル/ドルはドル円のドル安につれて堅調に推移している。
米民主・共和両党の指導者の合意で米債務問題は大きく前進したが、依然議会での採決には流動的な部分があり、格付け機関による米債格下げの可能性も残っていることから不安要素は消えていない。さらに、米債務問題で霞んでしまったが先週末の米GDP速報値は極めて弱い内容となっており、今晩発表される米ISM製造業景況感指数(23時発表)や今週末に発表される米雇用統計に不安感が残る。

◆欧州の景気指数は2009年以来の弱さ
英7月の製造業PMIは49.1と景気の改善・悪化の判断の境目となる50.0を下回り2009年6月以来の低水準となった。ポンドドルは1.6440台から1.6390台に下落、ポンド円は127.40台から127円ちょうど近辺まで値を一時落とした。その後ポンドドルは発表前の水準に一時持ち直したが戻りは限定され、ポンド円はドル円の下落につれて本日の安値を更新している。また相場への反応は鈍かったがユーロ圏の製造業PMIも50.4と2009年9月以来の低水準となった。

Klugアナリスト 鈴木信秀