4日のロンドン市場でドルは堅調に推移した。東京市場午後に格付け会社S&Pがギリシャ国債のロールオーバーに関してデフォルトの可能性を指摘したことが投資家心理を冷やし、リスク回避の動きとなった。欧州株式が先週末のNY株式や本日の日本株の上昇につれ高とならず鈍い展開となったことから、ユーロドルは本日の安値を更新した。ユーロ安ドル高につれてドル円はロンドン市場でじり高に推移した。ただ東京時間に付けた本日の高値には迫れなかった。今晩のNY市場は独立記念日で休場となることから取引を手控える向きが多かったようだ。

S&Pは、フランスが提案しているギリシャ債のロールオーバーに関して選択的デフォルトに相当するとの見解を発表した。選択的デフォルトとはS&Pが定義する格付けで、ある特定の債務はデフォルトとなるが、その他の債務に関して支払いは継続されるというものだ。先日のEU財務相会合では来年以降のギリシャへの追加融資の前提に民間金融機関によるギリシャ債のロールオーバーの方針で合意しており、フランス政府は同国の金融機関とロールオーバーに関して合意にこぎつけている。市場では、ロールオーバーにより金融機関に代表訴訟の問題やバランスシートの問題が出るのでは、との見方も出ていたことから、ギリシャ問題解決への期待に一段と水を差した格好となった。

Klugアナリスト 鈴木信秀