3日のNY市場はドル売りが優勢となり、ユーロの上昇が目立っている。朝方発表になった米雇用統計が予想以上に弱い内容となったことで、景気減速への警戒感からドルは売られる展開となった。一方で、リスク回避的な雰囲気も強まったことから、発表後、ユーロは一旦大きく下落する場面も見られた。しかし、ギリシャ支援が合意したと伝わると、ユーロは勢いを復活させ、ストップを巻き込んで、ユーロドルは1.46台まで上昇。その動きに連れられて、豪ドルやカナダといった資源国通貨も指標発表後の下げを取り戻している。
きょうの材料は弱い米雇用統計とギリシャ追加支援合意だったが、米雇用統計の弱さは若干驚きだったものの、数字の割にはリスク回避の雰囲気は弱かったようにも思われる。両材料とも事前に想定されていたことでもあり、ある程度織り込んでいたようだ。特に景気減速については、この先の展開をもう少し見極めたいといったムードもある。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)