26日のロンドン市場は、東京市場の流れを受けてユーロやNZドルが高値水準で推移している。ユーロドルは東京午前の取引で1.40台後半から1.41台後半へと上昇。ロンドン市場序盤には一時1.4197レベルと1.42台に迫る場面があった。その後も1.41台半ばがサポートされており、高値水準での揉み合いが続いている。ユーロ円は116円を挟んでの上下動となっており、東京早朝よりはユーロ高水準で推移している。また、NZドルも堅調で、NZドル/ドルは一時0.81台乗せ、NZドル円は66円台に乗せて取引されている。いずれも話題になったのが中国による投資の報道。東京朝方には英FT紙が、EFSFのレグリングCEOが中国を含むアジアの投資家がポルトガル救済向けのEFSF債を購入する見込み、と報じていた。また、ロンドン早朝にはイングリッシュNZ財務相が、NZは中国への輸出を4年で二倍増に、中国投資がNZの債券に投資しても驚きではない、と述べている。ただ、ロンドン市場では東京市場ほどの勢いはなく、G8を控えた様子見気分もあった模様。欧州株は序盤の上げを次第に消す動き。原油先物も101ドル割れとなる場面があった。

◆欧州当局の発言相次ぐ
この日はG8が始まったこともあり当局者の発言が相次いだ。トリシェECB総裁はベルリンで、ECBの最重要事項は物価の安定、危機の解消のためにはもっとやるべきことがある、中期的なインフレ見通しに上振れリスク、ECBは状況を厳しく監視する、と述べている。また、非伝統的手段は利上げを制約しない、景気回復はここ数ヶ月により着実なものになってきた、と述べておりユーロ買いの反応を誘う場面があった。ノボトニー・オーストリア中銀総裁も、インフレ抑制のため必要であれば一段の利上げも、とウィーンで述べた。一方、ギリシャと巡る不透明感が残っている。ノワイエ仏中銀総裁は、ECBはデフォルトされたギリシャ債を担保として受け入れることはない、ギリシャ債の期限は延長される見込み、とフランスのラジオで述べた。また、G8首脳会議では主要議題は日本の震災への復興支援や原発問題となりそうだ。また、商品・農産物価格上昇や中東・北アフリカ情勢への対応が話し合われる模様。G8ではギリシャ支援についての話し合いは行なわれない見込み。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)