マダムの家には、もう1匹、この猫もいました。「目が弱く明るい場所が苦手だから、ふだんは外に出ないの。この猫に会えたあなたは、とてもラッキー」。幸先がいいと思ったのは、このことだったのかも。

「うちの猫が気に入ったなら、きっと私のレストランも気にいると思うわ。後で訪ねてきてね。町の中心部に行けばきっとわかる」。そう言い残し、マダムは出かけてきました。

 路地を歩く猫は、堂々としています。気になる猫が近くにいたので、そちらを見据えたままよそ見をせずに歩いていました。

 階段の途中で立ち止まり風景を撮っていたら、群生する小菊の中から猫が出てきました。草むらの中で寝ていたのでしょうか? シッポをあげて近づいてきた、愛想のよい猫でした。

 猫は、紙や箱など乗れるものがあるとなんでも上に乗ります。リンドスの猫も例外ではありませんでした。