韓国では「極右政治家」と目されている高市早苗氏(写真:つのだよしお/アフロ)
10月4日、自民党の総裁選で勝利したことで日本の「次期首相」が確実視される高市早苗氏は、韓国の主要メディアから「極右」と呼ばれる政治家だ。日本同様、韓国でも「極右」という単語は嫌悪のニュアンスを含んでいるが、韓国主要メディアは隣国の有力政治家に「極右」という表現を使うことを躊躇していない。
靖国神社参拝や慰安婦問題、竹島(独島)問題など日韓間の懸案において、韓国側から見て「右翼的」な主張をしているというのがその理由だ。
ほとんどのメディアに「極右」「女版安倍」の文字が
今年7月、自民党の参院選惨敗で石破茂首相の辞任説が急浮上した時にも、次期首相候補として「高市注意報」を鳴り響かせた韓国メディアは、今回、高市氏が自民党総裁になった瞬間、「極右」政治家、「女版安倍」(韓国人が最も嫌う日本の首相・安倍晋三氏の女性版)という呼称を使いながら強い警戒心を示している。
4日、高市氏の総裁選出と関連した韓国の主要メディアの初報道は次の通り。まず、地上波3社のメインニュースの報道タイトルだ。
「日本の自民党新総裁に高市氏、初の女性首相が有力」(KBSメインニュース)
「自民党新総裁に“極右”高市氏当選、初の女性首相誕生有力」(MBCメインニュース)
「“極右性向”の高市氏当選、韓日関係への影響に神経尖らせ」(SBSのメインニュース)
韓国与党の共に民主党との相性を誇る左派メディアのMBCは、メインニュースだけでなく、すべてのニュースで「極右」という修飾語を付けて報道したが、民放のSBSは少し和らげた「極右性向」という曖昧な単語を付けて報道した。公営放送のKBSは、さすがタイトルでは極右という表現を自制したが、報道の中では「今年64歳で奈良県出身の高市新自民党総裁は『女安倍』とも呼ばれる“極右性向”の当選10回議員」とし、やはり極右という評価を下した。