10日のロンドン市場は神経質な展開となった。ユーロドルは1.42台後半から1.43台後半の間を上下した。まず、スイスフラン売りにつれて1.4300近辺から本日安値となる1.4270レベルまで下落、すぐに買い戻され1.43台前半でもみ合う中、一部報道がギリシャ当局者の発言として来月に約600億ユーロの新たな支援策がまとまるとの見通しが伝わると1.4370台まで急上昇。その後ギリシャ財務省当局者が同報道を否定したことが伝わると1.4330台まで一時値を落とした。しばらく1.43台半ばを中心に小動きに推移していたがNY時間に入る前に再び買いが入り1.4380近辺と本日の高値を付けた。
ユーロ円はロンドン時間に入って114円台後半まで下落したがユーロドルの買い戻しにつれて116.10台まで一時反発した。その他クロス円もつれ高となり、豪ドル円は先週4日のレベルとなる87.20台まで上昇、ポンド円、カナダ円は先週金曜日のレベルまで買われた。ただ、ポンド円に関しては伸びも弱く、その後上げ幅を消して東京時間のレンジ内に戻ってきている。ドル円は東京時間に買い戻しが入り堅調に推移している中、ロンドン時間にアジア中銀の買いが入っていたとのことで80.86近辺と先週金曜日のレベルまで一時上昇した。ただ買いが一服すると80円台半ばに伸び悩んでいる。
◆スイス消費者物価指数弱くスイスフランは売られる
スイス4月の消費者物価指数は予想前月比0.5%増のところ0.1%増と下回ったことからスイスフランは売られ、スイス円は92.10台から91.60台まで下落、ドルスイスは0.8740台から0.8800台までドル高スイス安が進んだ。ただその後はユーロが買い戻されるにつれスイスフランも下げ渋っている。
◆貴金属上昇にカナダドル、豪ドルは堅調
NY金先物、銀先物が続伸している中カナダドルは買われ、カナダ円は84.00レベルに、ドルカナダは0.9600割れとともに先週金曜日のレベルまでカナダ高が進んでいる。また豪ドル/ドルは1.0800近辺と本日の高値圏で堅調に推移し、豪ドル円は87円台まで上昇している。
Klugアナリスト 鈴木信秀