東京ビッグサイトで開催された第49回東京モーターサイクルショー(2022年3月25~27日)の様子(筆者撮影)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 バイク(原動機が付いた二輪車)の販売が好調だ。日本自動車工業会によると、2021年の二輪車販売台数は前年比113.7%の41万5892台となった。40万台を回復したのは2015年以来6年ぶりである。

 全国各地のバイク販売店からは「コロナ禍もあり、新しくバイクを購入する人が増えてきている」という声が聞こえてくる。

 そうした中、10月26日に日本自動車工業会・二輪車委員会が開催したメディアミーティングで、二輪車業界の実状を詳しく聞いた。それによると、直近のブームは実はコロナ禍より前に始まっていたという。バイク市場で何が起こっているのだろうか。

戦後のバイクブームは何回あったのか

 まず、日本で起こった過去のバイクブームについて振り返ってみたい。

 かなり時代を遡れば、第2次世界大戦後には物資の移動や庶民の足として二輪車の普及が進んだ。これはブームというよりは、復興期における社会インフラ整備だったと捉えるべきだろう。