3日のロンドン市場は、円高・ドル高の圧力が強まった。ドル円は80.80近辺へと下落、3月24日以来の安値水準となった。弱い英経済指標を受けてポンド円が134円台後半から133円台前半へと大きく下げたほか、ユーロ円は119円台前半、豪ドル円87円台後半、カナダ円84円台後半などアジアタイムからいずれも水準を下げている。豪ドルにとってはアジアタイムに政策金利据え置きが発表された豪中銀理事会の声明では、早期利上げを示唆する内容がみられなかったことも売り材料となっていた。カナダドルにとってはカナダ下院総選挙で与党が過半数を占めたことが安定政権として好感されたが、ロンドン市場ではアジアタイムの上げを消す形だった。ドル相場もドル円以外ではドル買いが優勢で、ユーロドルは1.47台後半、ポンドドルは1.65割れ、豪ドル/ドル1.08台後半へと軟化した。序盤に一時0.8620レベルと最安値を記録したドルスイスも0.86台後半へと反発している。4連休明けの英株式市場は序盤こそ堅調だったが次第に売りが優勢になっている。独DAX指数はマイナス圏での取引が続いている。昨日報道されたビンラディン殺害については、報復テロを警戒するムードが多かったようだ。アジア株や米株先物にも前日の勢いは無かった。

◆ポンド大幅安、弱い英製造業PMIで
4連休明けのロンドン市場で最も動きの大きかったのがポンドの下げだった。ポンドドルは1.66台半ばから1.66割れへと軟化して取引が始まったが、日本時間17時半に発表された4月の英CIPS製造業PMIは54.6と市場予想57.0を大幅に下回った。また、前回値も57.1から56.7へと下方修正されたことで、下げ足に拍車が掛かった。ポンドドルは1.64台後半へと下落。ポンド円は134円台から133円近辺へ下落。ユーロポンドは0.8920近辺から0.8980近辺へと急伸した。この動きがリスク回避的な動きを各主要通貨に広めた面もあったようだ。また、4月の英CBI小売調査が発表されている。現況の小売指数は+21と3月の+15から改善、市場予想+13も上回っている。これは1月以来の高水準だった。一方、5月の期待指数は-1となっており、2010年6月以来の低水準に落ち込んでいる。ポンドの反発力は鈍く、むしろ売りの反応がみられていた。連休明けのロンドン市場は英国関連の悪材料に反応する地合いだった。

◆インフレ警戒感高まる、利上げ圧力に
インド中銀が予想以上の上げ幅で利上げを発表、中国人民銀行は物価の安定が現在の最重要課題、公開市場操作や預金準備率、金利などの操作でインフレを管理する、銀行の預金準備率に関しては厳密な上限は設定していない、と表明している。あすのアジア開銀総会に先立って日中韓の共同声明が報道されているが、アジアが資本流入や商品価格の上昇に伴うリスクに直面、域内の経済成長には抵抗力がある、われわれは力強く持続的かつ均衡のとれた経済成長を達成するために適切なマクロ経済政策と政策協調の強化を実施する、と表明している。新興国の経済発展は目覚しいが資本流入とインフレ圧力が懸念材料となっていることが再確認された形といえよう。新興国を中心に世界的なインフレ抑制、金融引き締めへの方向性が強まってきているようだ。明日のアジア株式市場が注目されよう。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)