ワクチン接種を2回終わっていない人が日本人にはまだ非常に多い

 新型コロナウイルス感染症の「急性期」に見られる病状のメカニズムと、原理を押さえた対処法について、現時点で知られている分子レベルからの病理、薬理をこのコラムでは平易に解説しています。

 しかし、いまだ新型コロナ症状の全貌が知られているわけではありません。

 その典型が「後遺症」です。

 すでに米国では春先から社会問題化し、英国やオランダでは国を挙げての対策が取られています。

 このコラムでも早い時期に「ロングCOVID」と呼ばれる、こうした症状について説明しましたが、率直に言って、初夏の段階ではあまり反響がありませんでした。

 なぜか?

 一因は、日本国内での事例が少なく、また「コロナは、予防や治療法が未確立の、生命に関わる病気」として「死亡率」が第一に取り上げられ、「幸いにして一命を取り留めた」というケースは「幸運なケース」「良かった」として、報道の興味の埒外に置かれたからだと思われます。

 変化が起きてきたのは春先以降、2段に分けて患者=治療完了後の人口が急増してからのことです。

「コロナ罹患」の人口比率

 2021年8月、日本全国でのコロナの累積罹患者は、ついに100万人を突破しました。

 その間、明らかに不要不急の「五輪」を筆頭に、しばしば再開された「GOTO」的政策など、感染を拡大させる要素は常に残り、ワクチン接種など本質的な防疫は、薬液の手配が滞るなど人災的な要素を含め難航が続いています。

 実際にデータで見てみましょう。