かつては結婚の条件として軍服務の有無が重視されたが・・・(写真:TASS/アフロ)

 他人同士が一緒になる結婚は第2の人生の序幕である。フランスの作家、ニコラス・セバスチャン・シャンフォール(Nicolas Sébastien de Chamfort)は「恋愛が結婚より楽しいのは、小説が歴史より面白いのと同じ理由」と表現した。シャンフォールとって、結婚は小説ではなく歴史だったようだ。

 この原稿を書いている今も北朝鮮のどこかで誰かが恋愛し、厳粛な結婚式を挙げていることだろう。今回は、北朝鮮の結婚制度をみてみよう。

(過去分は以下をご覧ください)
◎「北朝鮮25時」(https://jbpress.ismedia.jp/search?fulltext=%E9%83%AD+%E6%96%87%E5%AE%8C%EF%BC%9A)

(郭 文完:大韓フィルム映画製作社代表)

 北朝鮮では17歳で成人になる。家族法で満17歳以上の成人男女は自由に結婚できることになっているが、男性が17歳で結婚することは事実上、不可能だ。北朝鮮男性は10年以上の軍服務が義務付けられているからだ。

 多くの男性は、10年以上の軍服務を終えると家に帰って結婚する。男性の結婚適齢期は、軍服務を終えた後の満27歳から満30歳とされている。

 ただ、兵役に服さない男性、例えば身体上の理由で兵役に服すことができない男性や工場や企業所に配属された労働者、高校を卒業後、大学に進学した男性などは20代前半で結婚することが可能だ。北朝鮮の大学生は軍服務を免除される。大学を卒業した後の兵役も可能だが、そういった例は滅多にない。

 したがって、20代前半で結婚する男性は大学を卒業した人、軍に行くことができない人、工場や企業所の労働者、農村で働く農民のいずれかなのだ。一般男性の結婚適齢期である満27歳から満30歳を逃すと、「男やもめ」と呼ばれるようになる。

 一方、女性の結婚適齢期は満23歳から満25歳とみなす社会的な風潮がある。