スペイン代表のペドリ。写真は今年7月17日、キリンチャレンジカップの際のもの(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 いつの時代にも突如現れては華々しい活躍を見せる若手というものがいる。

 東京五輪準決勝でメダル獲得をかけて日本と対戦したスペイン代表のペドリもそんなひとりだ。2002年生まれの18歳。準決勝では日本の堅守を前に決定機を演出する回数こそ少なかったものの、そのしなやかな身のこなしと視野の広さは、金メダルを狙うスペインの中でもひとり別次元にいる。

 才能を秘めた10代という枠でいえば、かつてアンドレス・イニエスタやチャビ・エルナンデスも同じような存在だった。しかし2021年のペドリはそんな偉大なる先輩たちを上回る期待を集めている。

18歳でもう世界最高ランクの市場価値

 スペインリーグにチャンピオンズリーグ、ユーロ2020、そして東京五輪。ペドリはこの1年間でサッカー界のビッグイベントのほとんどすべてに出場してきた。昨年9月から重ねた試合数は五輪準決勝で72試合。マンチェスターUのMFブルーノ・フェルナンデスに並んでおり、五輪決勝でプレーすれば堂々の1位となる。この年齢でこれだけの試合をこなし、クラブと代表で高い評価を得たというのは、スペインでは過去にも例がない。

 18歳にしてすでに世界中の誰もが知る有名選手で、サッカー界における市場価値でも最高ランクに属している。東京五輪に出場している選手でもトップで、ドイツの格付け機関「トランスファーマルクト」によるとその額は8000万ユーロ(104億円)に上る。ちなみにこれはリオネル・メッシと同じ額である。