シャンパンはロシア産だけ!
7月2日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は第171連邦法令「アルコール商品の規制について」の改正法案に署名、同法令は7月6日に発効した。
この改正法によって、これまで使用されてきた「スパークリングワイン(シャンパン)」というカテゴリー名は「スパークリングワイン、ロシアのシャンパンを含む」というカテゴリー名に変更された。
この結果、従来ロシア語のラベルに「シャンパン」と記載していた輸入シャンパンは、ロシアの消費者向けにはロシア語で「スパークリングワイン」と書き直すことが必要になる。
改正法のもう一つのポイントは、改正は原産地規制に関わるものである。
今後、原産地規制(欧州の原産地呼称制度に相当)は、ロシア国内で製造されたワインを保護する制度とされ、輸入者に適用できないものとされた。
世界的には「シャンパン」というのはフランスのシャンパーニュ地方で生産されるスパークリングワインだけに許された呼称だが、ロシアの新しい改正法に従うとその名称保護はロシアで適用されない。
この改正案はロシア国内外のワイン業界で大きな波紋を起こした。
日本でも有名なモエ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、ドン・ペリニョンといったフランスの高級シャンパンをロシアに輸出しているモエ・ヘネシー社(LVMHグループ)はロシアへのシャンパン輸出を一時中止すると発表した。
ちなみに、ロシアと「シャンパン」の問題は今回が初めてではない。
2012年にロシアがWTO(世界貿易機関)に加盟した時にも「シャンパン」というスパークリングワイン名について議論された。