4月23日、日本政府は東京、大阪、京都、兵庫の一都二府一県に緊急事態宣言を発令した。期間は4月25日(日)から5月11日(火)まで。東京の場合、二度目の緊急事態宣言は二度延期され、4月12日からはまん延防止等特別措置が実施されたが、これまでの措置は効果がなかったと言わざるを得ない。
いったい日本の政治家は何をしているのだろうか。まず、コロナ対策担当の西村康稔経済財政・再生相はこの1年あまりを振り返り、コロナ対策が成功したのかどうかを総括すべきだろう。彼は、ポスト菅を目指し始めたとの噂も出ている。そうであれば一段と国民に説明責任を果たすべきだ。
次に、コロナで国民が苦しむ中で訪米した菅首相である。感染症の専門家は、昨年の段階から変異株の登場とともに現在の状況を予測していた。先日、政府の経済対策に関与している東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹(元経産省職員)も国会答弁で、(実は)昨年暮れには危機を募らせていたとして、実質的に政府の対策ミスを批判した。政府部内からも不満が出た形だ。
一方、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は三度目の緊急事態宣言について、「日本のゴールデンウィークとの兼ね合いで、五輪・パラリンピック開催のためではない」と言ってのけた。彼はなぜ日本の政治判断に口を挟むのだろうか。この発言に違和感を示す政治家や国民は少なくない。
ちなみに、橋本東京五輪・パラリンピック委員長は観客数の上限についての判断を6月まで先延ばしする可能性を示唆した。チケット販売後に無観客にすれば払い戻しが大変だということなのだろうが、今の段階で「無観客」とすべきではないか。もちろん、沿道警備の人から陽性が出た聖火ランナーも止めるべきだ。