楽天への復帰が決まった田中将大投手。2019年6月撮影(写真:AP/アフロ)

 まさに“ビッグサプライズ”となった。東北楽天ゴールデンイーグルスが28日、ニューヨーク・ヤンキースからFAとなっていた田中将大投手との契約について基本合意に達したと発表。田中も自身のツイッター、インスタグラムを通じて8年ぶりに古巣復帰を果たすことを認め、日本プロ野球の2021年シーズンはレジェンドの東北凱旋で話題を独占しそうだ。

 楽天とは2年契約となり、推定年俸は日本プロ野球界で史上最高の9億円プラス出来高。事実上の永久欠番となっていた背番号「18」を再び背負うことも決まった。

ヤンキースでの7年間で通算78勝、文句なしの実績

 メジャーリーグは新型コロナウイルスの感染拡大による影響で移籍市場が低迷し、FA大物選手の所属先も軒並み不透明なままの状況となっている。田中も例外ではなかった。ぜいたく税の上限が今オフ編成費の足かせとなっているヤンキースへの残留は厳しい流れとなり、獲得に興味を示すMLB他球団の動きも鈍いことから“ラブコール”を送られていた楽天への復帰を決断した。

 とはいえ、コロナショックの不可抗力さえなければ、ほぼ間違いなく田中はヤンキースからFAで退団することになってもMLBの他球団でプレーしていただろう。

 依然としてトップクラスのメジャーリーガーである評価に変わりはない。名門ヤンキースに7年間在籍し、通算78勝をマークした実力は“異次元レベル”。田中の能力と商品価値はNPBの中でも突出している。楽天の球団側、そしてファンが8年ぶりのチーム日本一へと導く指南役として、日本が誇るレジェンド右腕を三顧の礼で迎えようとしているのも頷ける。