米電気自動車(EV)大手のテスラが中国工場で生産した小型SUV(多目的スポーツ車)「モデルY」の納車を開始したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが1月18日に報じた。モデルYは中国生産のテスラ車として、主力の小型セダン「モデル3」に次ぎ2車種目となる。
中国EV販売で12.5%のシェア
テスラが中国・上海で工場の建設に着工したのは2019年1月。同工場で生産したモデル3の一般向け納車を始めたのは20年1月だった。その後、モデル3の生産能力を増強するとともに、モデルYの生産ラインを構築した。
テスラは20年に中国でモデル3を13万8000台超販売した。中国汽車工業協会(CPCA)によると、同国で20年に販売されたEVは111万台。テスラは約12.5%を占めた。
今後はモデルYも加わり、中国市場は22年までにテスラ車世界販売台数の4割超を占めるまでになると、米証券会社ウェドブッシュのアナリストは予測している。
中国事業を拡大、年間生産50万台目指す
上海工場はテスラが米国外に初めて設けた「ギガファクトリー」だ。20年10月には同工場で生産したモデル3をドイツやフランス、イタリア、スイスなど欧州10カ国以上に輸出すると明らかにした。その年間生産台数は20年10月末時点で25万台。ただ、同社は最終的に同工場で年間50万台を生産する計画だ。
テスラの中国事業を巡っては、EV用充電器の生産を始めるとも伝えられている。ロイターによると、中国向け充電器は現在、米国から輸入している。今後は上海のギガファクトリー近くに640万ドル(約7億円)を投じ、年間生産能力1万台の充電器工場を建設する計画。21年2月の完成を見込んでいるという。