ビッグカンパニーやリーディングカンパニーが一堂に会するTOPIX Core30
時価総額と流動性に、特に優れた企業ばかり30社で構成されるインデックスが、TOPIX Core30です。つまり、TOPIX Core30は「日本を代表するようなビッグカンパニーやリーディングカンパニーが一堂に会するインデックス」といえるのではないでしょうか?
NYダウがそうであるように、東京証券取引所第一部の2000社を超える企業の中から30社を選ぶのですから、TOPIX Core30はインデックスでありながらアクティブ、草食系だけど肉食系の「フェイクミートみたいなインデックス」ともいえそうです。
ビッグカンパニーやリーディングカンパニーは、すでに企業として成長を遂げ、成熟期に入っている企業ともいえます。つまり、TOPIX Core30を構成する企業は、ビジネスも企業も成長途上にあるベンチャー企業とは真逆の立ち位置の、安定成長中の企業ばかり、ということになりそうです。
TOPIX Core30への投資は、専門用語で言うと、「大型株式」への投資になりますね。
「市場全体を対象とするTOPIXと比べて、より安定的に価格が上がりそうなTOPIX Core30は、『貨幣価値の下落への備え』という意味で有力な選択肢の一つになるかもしれない」と思われた方。ぜひ、最後まで本稿をご笑覧くださいませ。
TOPIX Core30へ投資できるのは、今のところETFのみ
ところで、筆者がこれまでTOPIX Core30に投資をしてきたのは、指数に連動するETF(上場投資信託)です。なぜか、TOPIX Core30を対象にした公募投資信託を見つけることができずにおります。
つまり、今からTOPIX Core30に投資しようとすれば、株取引の口座を証券会社に開く必要があります。
もし、TOPIX Core30を対象にした公募投資信託があれば、数ある日本株の公募株式投資信託の中でも、組み入れ銘柄数が最も少ないファンドの一つになるのではないでしょうか?
実は値動きが激しく、価格の伸びもやや鈍いTOPIX Core30
さて、ご参考までに、以下はTOPIXに連動するETFと、TOPIX Core30に連動するETFの、2011年以降の値動きを示したグラフです。
安定成長中の企業ばかり30社ということでしたが、短期的に見ると、TOPIX Core30の(ETFの)値動きは決して安定しているとは言えず、TOPIXに負けず劣らず激しく動いているのが分かります。
また、TOPIXと比べても、あるいはこれまでご紹介させていただいた米国株式のNYダウや配当貴族に比べても、TOPIX Core30は価格の伸びがイマイチといえるかもしれません。しかし、日本株ですから、価格変動のみの勝負となり、外国株に付きものの為替変動リスクは気にしなくて良いのが利点です。
「『貨幣価値の下落への備え』の選択肢の一つ」としてご検討なさっていた方。ぜひ、長期的な視野で、お考えになってくださいませ。
まとめに代えて
もともとインデックスというと、「市場全体の値動きを対象とした投資」というイメージが強かったと思います。
しかし、これまでご紹介してきたNYダウについては、市場全体というよりも、「ニューヨーク証券取引所とナスダックから厳選された30社」ですから、「まるでアクティブファンドみたいなインデックス」と紹介させていただきました。
また、配当貴族に至っては、そのネーミングそのものが、およそインデックスからかけ離れた香りを漂わせています。正確には「S&P500配当貴族指数」という名前の、米国株式のインデックスの一つで、過去25年以上にわたって連続して増配を続けている企業によって構成されています。
そして本稿では、我が国の「まるでフェイクミートみたいなインデックス」の一つとして、TOPIX Core30をご紹介させていただきました。
NYダウは、ご存知の方も多かったと思いますが、残りの2つについては、いかがでしょうか?
インデックスファンドは、またの名を「パッシブファンド」ともいいます。指数を上回ることを目指さず、指数に連動する成果を目指すのがインデックスファンドなので、パッシブ(消極的)と呼ばれます。
しかし、これまでご紹介させていただいた「フェイクミートみたいなインデックス」は、パッシブ、すなわち消極的というイメージからは、ほど遠いインデックスなのでないでしょうか?
つまり、「フェイクミートみたいなインデックス」に連動する成果を目指すファンド(公募投資信託やETF)は、アクティブファンドに追随する成果を得ることができるファンドだと、筆者は理解しています。